家の中でゆったりとした時間を過ごしながら、外の景色を楽しめる雪見障子。四季の移り変わりを味わえる建具として、古くから日本人に親しまれてきました。
しかし、雪見障子のある部屋に住む場合には、気を付けるべき点もあります。
本記事では、雪見障子を取り扱う際のポイントを紹介します。メンテナンスや使用上の注意点、張り替え方法や外し方なども説明しますので、ぜひご一読ください。
雪見障子とは?
一般的な障子は、骨組みに障子紙が貼り付けられていますが、雪見障子の場合は上部に障子紙、下部にガラスが使用されています。ガラスを通して外の雪景色を眺められることから、雪見障子と呼ばれるようになりました。
雪見障子は採光性が高く、障子紙で日差しを和らげつつも、下部のガラスから適度に光を取り入れることが可能です。和の情緒あふれる風景を楽しめるものとして、現在でも庭園のある旅館などで広く使用されています。
雪見障子と猫間障子の違い
雪見障子によく似た障子として覚えておきたいのが、猫間障子(ねこましょうじ)です。猫間障子とは猫用の通り道がある障子のことで、かつては雪見障子と異なる障子として区別されていました。猫のいる家では、猫が障子を破って外に出てしまうことがあったため、障子の下部に可動式の小障子が付けられたわけです。
猫間障子には、もともと下部にガラスは設置されていませんでした。しかし、のちにガラスがはめ込まれ、雪見障子とよく似た姿になりました。
近年では、雪見障子と猫間障子は特に区別されないケースも多いです。ただし、地域によって呼び方が異なる場合もあるため、注文時には「可動式の小障子の有無」や「ガラスの有無」をしっかりと確認しておきましょう。
雪見障子を導入する際のポイント
雪見障子は趣のある魅力的な建具ですが、一般的な障子とは異なる注意点もあります。できるだけ長く使い続けるために、正しいメンテナンス法や取り扱い方を知っておきましょう。
定期的なメンテナンスが必要
障子紙は使い続けるうちに、日焼けや汚れが目立つようになってきます。定期的に新品の障子紙に張り替えることで、清潔感のある雰囲気を保てるでしょう。
障子紙は水分を吸収しやすいため、カビが生えやすいという点にも注意が必要です。特に冬の寒い時期には、室内と外気の温度差によって、ガラス部分に結露が発生しやすくなります。
カビの発生を防ぐためには、こまめに換気をすること、カビの栄養分となる埃や汚れを取り除くことが大切です。
雨が降っていて窓を開けられないときには、除湿器やエアコンの除湿機能を使ってみるのもよいでしょう。
障子紙やガラスの扱いが心配な場合は、代替素材のものを選ぶ
障子には薄手の和紙が使用されていることが多く、物が当たっただけで破れてしまうこともあります。さらに、雪見障子の場合はガラスも使われているため、子どもやペットが割ってしまわないか、心配になる方もいるかもしれません。
障子紙やガラスの扱いが気になる方は、扱いやすい代替素材のものを選ぶのがおすすめです。
破れにくいプラスチック障子紙にすれば、小さい子どものいたずら対策にもなりますし、水拭きができるためお手入れも簡単になります。ガラスの破損が心配な場合は、代わりにアクリル板をはめ込むのがよいでしょう。
雪見障子の張り替え方法と外し方
雪見障子は、一般的な障子と同様の方法で張り替えが可能です。ホームセンターで販売されている障子紙を使用すれば、DIYで張り替えることもできます。
ただし、障子紙によって、耐久性、遮光性、通気性、張り替えの難易度などが異なる点に注意が必要です。自分の予算や目的に合わせて、障子紙を選びましょう。
障子紙の張り替えには、新聞紙、ヘラ、定規、カッターナイフなどが必要です。ただし、障子紙の種類によって必要になる道具も変わってくるため、まずは使用したい障子紙を決めてから、必要なものをそろえるとよいでしょう。
なお、雪見障子(猫間障子)に付いている小障子の外し方は、以下のとおりです。
1.小障子がはまっている溝の位置を、左右それぞれ確認する
2.溝の深い方に小障子を押し付けながら、反対側を手前に引き出す
雪見障子の張り替えはDIYでも可能ですが、「キレイな仕上がりにしたい」「小障子がうまく外れないため、張り替えからプロに任せてしまいたい」という方も多いでしょう。そのような場合は、和室の専門店に相談するのがスムーズです。
まとめ
雪見障子を自宅で使いたいと思っても、「障子紙が破れたり、ガラスが割れたりしそうで怖い……」と感じる方もなかにはいるかもしれません。
とりまつ畳では障子紙の強度が不安な方に向けて、普通紙よりも強度を高めた障子紙をご用意しています。低コストでこまめに張り替えられる「普通紙」、普通紙の4倍の強度を持つ「強化紙」、アクリルや和紙を使用した「超強化紙」など、予算に応じて素材を選ぶことが可能です。