和室でくつろいでいる猫の姿を見て、心が癒されると感じる方は多いでしょう。一方で、しつけが十分にできていない子猫の時期には、「襖で爪とぎされたらどうしよう」と心配になる瞬間もあるでしょう。
人間と猫が和室でのびのびと過ごせるように、襖の爪とぎ対策を行なう必要があります。今回は、猫が爪とぎをする理由から、襖の爪とぎ対策、破れてしまった襖の修繕方法まで、役立つ知識をまとめて見ていきましょう。
猫が爪とぎをする理由
猫が爪とぎをするおもな理由としては、以下が挙げられます。
●爪のケア:猫の狩猟本能の表れ
●ストレス解消:気分転換、冷静になるための行動
●マーキング:自分の縄張りを主張
●アピール:「かまってほしい」「甘えたい」という気持ち
爪とぎはそもそも猫の習性であるため、飼い主の都合で完全に止めさせるのは難しいでしょう。とはいえ、大事な襖が爪とぎの代わりとして使われるのは、何としても避けたいところです。
襖だけでなく家全体を守るという意味でも、子猫のうちから爪とぎのしつけを行なう必要があります。
猫の爪とぎから襖を守るには?4つの対策を紹介
続いては、猫の爪とぎ対策として有効なグッズと使用上の注意点を見ていきましょう。
猫の爪とぎ対策(1)専用の爪とぎを用意する
猫を自宅で飼うときには、猫専用の爪とぎを必ず用意してください。襖で爪とぎをするのが習慣になる前に、正しい爪とぎの場所を覚えさせることが大切です。襖での爪とぎに慣れてしまった場合も、襖の近くに爪とぎを設置することで改善する可能性があります。
なお、爪とぎと一口にいってもその特徴はさまざまです。例えば、素材や形については、以下のような違いがあります。
●爪とぎの素材:ダンボール、カーペット、麻、木など
●爪とぎの形:横置き型、縦置き型、ボウル型、ベッド型など
猫の性格によって、好みの爪とぎのタイプが異なることを理解しておきましょう。爪とぎが合わないと感じたら、別のタイプのものを試してみるのがおすすめです。
猫の爪とぎ対策(2)爪とぎ防止スプレーを使用する
猫の爪とぎ対策として、爪とぎ防止スプレーを試してみるのもよいでしょう。猫の苦手な香りが使用されているため、襖にかけるだけで猫が嫌がって避けていきます。
爪とぎ防止スプレーを選ぶときには、襖に使用可能なスプレーであるか、事前に確認が必要です。
また、部屋全体に使用できるスプレーである場合は、大量にかけすぎないよう気を付けましょう。猫にとって苦手な香りが部屋中に充満していると、その場にいること自体がストレスになるおそれがあります。
猫の爪とぎ対策(3)保護シートを貼り付ける
襖を猫に引っかかれないために、半透明の保護シートを活用するのもよいでしょう。半透明の保護シートを襖紙の上に貼り付ければ、襖の見た目を変えることなく、爪とぎ対策を行なえます。
保護シートの種類によっては、襖紙と壁紙の両方に使用できるものもあるので、和室全体で対策を行なうのもおすすめです。
猫の爪とぎ対策(4)ネイルキャップを使用する
襖の爪とぎをなかなか止めさせられない場合は、爪とぎのしつけが完了するまで、一時的にネイルキャップを使用するのも一つの方法です。猫の爪にネイルキャップを装着すれば、襖に傷が付くのを予防することができます。
ただし、ネイルキャップにはメリットだけでなく、デメリットもあることを理解しておかなくてはなりません。
ネイルキャップは1ヵ月程度で交換の必要があるため、そのたびに装着の手間がかかります。また、ネイルキャップ自体にストレスを感じる猫がいるため、装着後の様子を見ながら継続の可否を判断する必要があります。
猫の爪とぎで破れた襖の修繕方法
猫の爪とぎによって襖が破れた場合は、応急処置として襖用のシールを貼り付けるのが簡単です。花や動物の形をしたシールもあるので、模様替えの一環として楽しんでみてはいかがでしょうか。
ただし、爪とぎの範囲が広い場合は、シールだけで隠すのは難しいかもしれません。襖を自分で修理するのが難しいようなら、襖の専門店に相談して、襖本体を丸ごと交換するのがよいでしょう。
襖を交換するなら、爪とぎのしつけが終わり、襖を引っかかなくなった段階で行なうのがおすすめです。今回紹介した爪とぎ対策グッズを活用しながら、猫にとっても人間にとってもストレスのない環境を整えていきましょう。
まとめ
爪とぎが猫の習性である以上、爪とぎ自体を我慢させるのは良くありません。思い切り爪とぎができる場所を用意したり、爪とぎ防止スプレーや保護シートを活用したりすることで、襖の引っかき傷に悩まされることがなくなるでしょう。
もし襖が傷んでしまった場合でも、襖の専門店に依頼すればスムーズに対処できます。和室のプロフェッショナルであるとりまつ畳では、襖1本からでも対応可能です。