和室を使い続けるなかで気になってくるのが、襖の防音性能です。音が漏れにくい和室を作るためには、どのような工夫を行なえば良いのでしょうか。
今回は襖の防音性能が低い理由と、DIYでも可能な防音対策について解説します。襖の開閉音を抑える方法についても説明しますので、静かで落ち着いた環境を手に入れたい方、近隣住民への影響を心配している方はぜひご一読ください。
襖が音漏れしやすい理由
和室ならではの居心地の良さを好んでいたとしても、「どうしても襖の音漏れが気になる……」という方もいるかもしれません。
もちろん、襖を取り払ってドアなどに変更すれば、防音性能を高められるでしょう。しかし、和室としての趣が損なわれる点、賃貸物件の場合はリフォームが難しい点が問題です。
そもそも襖は構造上、隙間ができやすい作りとなっています。洋室のドアなどと比べると気密性が低いため、防音性能の低さを補う工夫が必要です。
DIYも可能!襖の防音対策5選
襖をそのまま使い続ける以上、音漏れを完全に防ぐのは難しいでしょう。しかし、ちょっとした工夫を行なうことで、生活に支障のない程度にまで、音漏れを抑えられる可能性があります。
まずは、DIYも可能な以下の5つの方法を試してみてください。
襖の防音対策(1)家具の配置を工夫する
防音対策グッズを使用する前に、まずは自宅の家具の配置を見直してみてはいかがでしょうか。今ある家具の配置を変えるだけでも、音の伝わり方が変わってきます。
背の高い本棚やタンスがあるなら、防音壁の代わりとして活用してみましょう。壁側に設置するときには、家具と壁の距離を空けておくのがポイントです。
さらには、音の発生源となるテレビの位置にも注目してみてください。壁から音が伝わるのを防ぐため、テレビと壁との距離を空けておくとよいでしょう。
襖の防音対策(2)防音カーテンを設置する
大がかりな工事や模様替えをしたくない場合は、襖の手前に防音カーテンを設置するのも一つの手段です。カーテンレールを取り付けるのが面倒なら、つっぱり棒を使用するとよいでしょう。
ただし、防音カーテンの種類によって防音効果が異なるため、購入の際にはそれぞれの機能をよく確認する必要があります。
また、カーテンに防音機能があるといっても、布の構造上、防音効果はそれほど高くはありません。防音カーテンを使用しても音漏れが気になるようなら、他の方法も併せて試してみる必要があるでしょう。
襖の防音対策(3)隙間用テープを貼り付ける
襖の防音性能が低いのは、襖の間に隙間があるためです。隙間用テープで音の通り道をできるだけ埋めることで、部屋の気密性が高くなり、音漏れを防ぐことができます。
ただし、隙間用テープを貼り付けることで、襖の開け閉め自体ができなくなる点に注意が必要です。自宅にほとんど開け閉めしていない襖がある場合は、隙間用テープで固定する方法も検討してみましょう。
襖の防音対策(4)防音シートを貼り付ける
防音シートを襖に貼り付けることでも、和室の音漏れ対策ができます。ただし、防音シートの厚みや素材によって、防音性能が異なる点に気を付けなくてはなりません。
厚みのある防音シートを選べば防音性能は上がりますが、その分シートの値段が高くなります。また、防音シートの厚みが増した分だけ、襖への貼り付け作業が大がかりなものとなるでしょう。
のちのち買い直しの手間がないよう、防音性能の十分なシートをしっかりと選ぶ必要があります。
襖の防音対策(5)吸音ボードを取り付ける
和室で大きな音を出している場合は、襖に吸音ボードを取り付けるのもよいでしょう。
吸音ボードは、音が発生している側に貼り付けるのが効果的です。吸音材が貼り付けられている「学校の音楽室の壁」をイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか。
ただし、吸音ボードを設置すると襖の開け閉めができなくなる点に注意が必要です。
【襖の防音】開閉音が気になる場合の対処法
和室の音漏れだけでなく、襖の開閉音が気になる方もいるのではないでしょうか。襖の滑りが悪くなると、ガタガタという不快な音が発生しやすくなります。
マンションやアパートの場合は、隣や上下階の住民への配慮が必要です。開閉音を静かにしたいなら、敷居の溝にスプレーをかけたり、滑りを良くするテープを貼ったりするとよいでしょう。
襖がスムーズに動かないときには、鴨居の変形、襖や家全体の歪みなど、さまざまな原因が考えられます。襖の滑りに関するより詳しい情報を知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
参考:襖の滑りの悪さを改善するには?滑りを良くする4つの方法を解説
まとめ
防音と一口にいっても、部屋の状況や目的によって、必要な性能が異なります。話し声の響き方をやわらげたいのか、テレビや音楽を大音量で楽しむための部屋を作りたいのか、自分の目的に合わせて対策を行なうことが大切です。
また、和室のレイアウトを検討するなかで、「襖本体の汚れや黄ばみが気になる」「襖を違う柄に変えたい」などの要望が出てくることもあるでしょう。