和室を使用する際にどれだけ気を付けていても、年数が経つにつれてシミや手垢による汚れが目立ってくるものです。和室の湿気対策が十分でなければ、襖にカビが生えることさえあるでしょう。
汚れがひどい場合は襖の張り替えや交換が必要ですが、軽い汚れであれば自分で対処が可能です。しかし、誤った方法で汚れを落とそうとすると、かえって襖が傷んでしまうおそれがあります。
そこで今回は、襖がシミ・カビ・手垢で汚れた場合にどのような対処が必要なのか、襖の汚れ落としについてパーツ別に解説します。
襖の汚れを落とす方法【襖紙】
まずは和室の印象を大きく左右する襖紙について、汚れ落としの方法を見ていきましょう。
カビやシミ汚れを落とす方法
紙製の襖紙がカビやシミで汚れている場合は、白くてやわらかい消しゴムでこすることで汚れが落ちる場合があります。ただし、強くこすると襖紙が傷むおそれがあるため、優しく丁寧に行なってください。
ビニールクロス製の襖紙であれば、水拭きや洗剤拭きも可能です。汚れを拭き取ったあとに防水スプレーをかけておけば、新たな汚れの付着を予防できます。
汚れがきれいに落ちない場合は、補修用の小さな襖紙を貼り付けて隠すのも一つの手段です。花型などおしゃれな形のものもあるので、汚れの範囲が小さい場合はぜひ試してみてください。
汚れや変色がひどい場合
カビやシミが広範囲におよぶ場合、汚れ方がひどい場合は、前述した汚れ落としの方法を試しても解決しないかもしれません。また、襖紙は長年使用していると徐々に変色して黄ばんでいくものです。
前述した方法を試しても汚れや変色が改善しない場合は、襖の張り替えを検討するとよいでしょう。
襖の張り替えはDIYで行なうこともできますが、作業時間に余裕がない方や、DIYが苦手な方は襖張り替えの専門店に依頼するほうが無難です。襖紙にもいろいろな図柄があるので、模様替えの一環として張り替えを楽しんでみてください。
襖の汚れを落とす方法【引き手周辺】
襖の引き手周辺といえば、手垢による汚れが目立ちやすい場所です。襖を汚れた手で触ってしまった場合は、以下の方法を試してみてください。
引き手の手垢を落とす方法
引き手の素材によっては、洗剤を付けた雑巾で汚れを拭き取ることが可能です。洗剤で拭いたら水拭きを行ない、最後に乾拭きで水分を除去します。引き手周辺の襖紙が紙製の場合は、周辺まで水で濡れないよう十分に気を付けましょう。
引き手の汚れが取れない場合は、引き手を新しいものに交換するのも一つの選択肢です。
引き手周辺(襖紙)の手垢を落とす方法
引き手周辺の襖紙が手垢で汚れている場合は、白くてやわらかい消しゴムで汚れを落としましょう。襖紙の破損を防ぐため、力加減を調整しながら消しゴムをかけていきます。
普段は特に気にならないかもしれませんが、襖全体をしっかりと観察すると、「引き手周辺だけが手垢で黒ずんでいた」という場合がよくあります。できるだけ手垢汚れの程度が軽いうちに、黒ずみを落としておきたいところです。
襖の汚れを落とす方法【敷居】
襖の滑りを良くするためには、敷居のこまめな掃除も欠かせません。敷居の汚れを落とす際には、以下のコツを押さえておきましょう。
敷居の汚れを落とす前に
敷居のレール部分にはゴミや埃がたまりやすいので、日頃からこまめに掃除しておくことをおすすめします。ただし、掃除機をかけるだけでは、隅々まできれいにはならない可能性があります。
敷居の掃除をするなら、掃除機に付属しているブラシを使用するか、ホウキで丁寧にかき出すのがよいでしょう。ゴミや埃を取り除けたら、固く絞った雑巾で水拭きをして汚れを除去します。
竹串や輪ゴムを活用したお手入れ方法
上記の方法でもきれいに掃除ができない場合は、竹串のような先のとがったもので汚れをかき出すのも有効です。
また、輪ゴムを襖の下に入れて開け閉めすれば、襖の下に入り込んだゴミや埃をからめ取ることができます。
敷居にゴミや埃がたまると、次第に襖の動きが悪くなってきます。襖がスムーズに動かない場合は、ゴミや埃をきれいに取り除いたあとに、滑りやすくするグッズ(敷居用のスプレー・テープなど)を使用するのもおすすめです。
まとめ
襖をできるだけ長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。シミ・カビ・手垢汚れが定着する前に、正しい汚れ落としの方法を知っておきましょう。
襖は自然素材で作られているものが多いため、水拭きや洗剤拭きが可能であるか、事前に確認が必要です。手垢落とし用の消しゴム、ゴミや埃取り用の竹串、輪ゴムなど、身近なものでも襖の汚れ落としに活用できます。
ただし、襖の汚れがあまりにも目立つようなら、襖の張り替えが必要です。襖の専門店とりまつ畳では、リーズナブルな価格で張り替えの施工を行なっています。