和室のある家に住み始めて何年か経つと、襖の滑りの悪さが徐々に気になってくるかもしれません。開閉するたびにガタガタと音を立てている場合、滑りを改善する方法をいくつか試してみるとよいでしょう。
本記事では、襖の滑りを改善する4つの方法を紹介します。滑りが良すぎる場合の対処法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
襖の滑りが悪い原因とは?
襖がスムーズに動かないと、小さなストレスが重なってしまいます。和室ならではの居心地の良さを堪能するためにも、まずは滑りが悪い原因を考えてみましょう。
よくある原因としては、以下が挙げられます。
・襖縁や敷居がすり減っている
・鴨居が曲がって変形している
・家全体が歪んでいる
・襖そのものが歪んでいる
襖そのものが歪んでいる場合は、襖をカンナで削ったり襖自体を交換したりすることで滑りが良くなるでしょう。
ただし、襖の滑りが悪いとしても、襖そのものや周辺に問題があるとは限りません。例えば、家がそもそも傾いていると、たとえ新品の襖をはめ込んだとしてもスムーズに動かないこともあります。家全体に歪みがある場合は、耐震性能に重大な問題がないか点検を依頼する必要があるでしょう。
襖自体が歪んでいるのか、襖縁や敷居がすり減っているのか、鴨居が下がってきているのかなど、原因によって適切な対処法も異なります。自分で行なえる対処法をいくつか試してみて、改善しない場合は専門業者に相談してみてください。
襖の滑りを良くするための4つの方法
襖がスムーズに閉まらない場合、以下のような簡単な方法で改善する可能性があります。ちょっとした工夫で重さや異音がなくなることもあるので、ぜひ試してみてください。
襖周辺のゴミを取り除く
まずは、襖周辺にゴミがたまっていないかよく確認してみましょう。敷居は周辺よりも少し凹んでいるため、ほこりや髪の毛などがたまりやすい場所です。定期的に掃除機をかけていても、凹みに入り込んだゴミを除去できず、いつの間にか襖の下にゴミが入り込んで余計な摩擦を生んでしまいます。
掃除機でうまく吸い取れない場合は、襖を一度外してから掃除をするとよいでしょう。特に汚れやほこりがたまっているところは、濡れ雑巾を使って丁寧に拭き取ってください。
敷居にテープを貼る
襖周辺の掃除をしても滑りが改善しない場合は、敷居用のテープなど、敷居の滑りを良くするグッズを活用します。
滑りやすい加工が施されているテープを貼り付けることで、摩擦が少なくなって開閉がスムーズになるでしょう。
なお、テープを使用する際には、事前にしっかりと敷居の掃除をしておいてください。
ただし、使い続けるうちに滑りが悪くなることもあります。重さや異音が気になってきたら新しいテープに交換しましょう。
敷居にスプレーを吹き付ける
敷居に潤滑効果のあるスプレーを吹き付ける方法も、簡単でおすすめです。ただし、木材に問題なく使用できるか、スプレーの注意書きを事前に確認しておく必要があります。
敷居の滑りを良くする目的でスプレーを選ぶなら、多用途に使えるものが特におすすめです。襖だけでなく障子や家具の引出し、アルミサッシなど家中に使えるスプレーを選ぶとよいでしょう。
敷居にロウソクを塗る
テープやスプレーがない場合は、ロウソクを塗ることで滑りを良くすることも可能です。塗るタイプの潤滑剤もありますが、自宅にあるロウソクを使用すれば問題ありません。ただし、ロウソクの色が敷居に残るので、できるだけ目立ちにくい色を選んだほうがよいでしょう。
使用する際は、ロウソクを手で温めてやわらかくしてから、敷居に塗ります。塗る量は、開閉具合を確かめながら調整してください。
襖の滑りが良すぎる場合はどうする?
襖の滑りを良くする方法は前述のとおりですが、反対に「襖の滑りが良すぎて違和感がある」という場合もあるでしょう。そのようなときには、敷居にベビーパウダーを塗ってみてください。
注意点としては、ベビーパウダーを最初から大量に塗ってしまうと、逆に滑りの悪さが気になってしまうことです。まずは少量から塗ってみて、襖を開閉しながら理想の滑り具合になるまで調整してみましょう。
まとめ
襖の滑りが悪くなってきたら、敷居のゴミを取り除くことから始めてみましょう。掃除をしても滑りが悪いままなら、滑りを良くするテープやスプレー、ロウソクを使ってみてください。いろいろ試してみても効果がない場合は、家全体に歪みが生じている可能性もあります。
長年使っている襖は、滑りの悪さだけでなく破れや変色、汚れなどが目立ってくるものです。襖にも寿命があるので、状態が悪くなってきたと感じたら、襖の張り替えも検討してみましょう。
襖に限らず、畳や障子、網戸に関してお悩みがある方は、和室の専門家であるとりまつ畳にぜひご相談ください。