最初は青々としていた畳の表面も、年数を経るにつれて黄色っぽく変色していきます。ある程度の日焼けは仕方がないこととはいえ、できるなら美しい色のまま使い続けたいものです。畳の変色を防ぐためには、どのような対策を行なえばよいのでしょうか。
本記事では、畳の日焼けを予防する方法、日焼けで変色した際の修復法について解説します。畳の劣化を防ぎたい方や、日焼けした畳をどうすべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
畳が日焼けしてしまうおもな原因とは?
畳が日焼けするおもな原因は、日光(紫外線)です。畳はイ草という植物で作られており、イ草に含まれる色素(クロロフィル)が紫外線によって変質すると、色あせた見た目になっていきます。また、日光だけでなく、蛍光灯の光によっても畳は日焼けします。
基本的には、新品の青い畳が日焼けで変色した場合、もとの状態に完全に戻すのは難しいでしょう。
畳の上に家具を長期間設置すると日焼けのラインができてしまうため、家具のレイアウトにも注意が必要です。
畳の日焼けを予防する方法
畳表は変色しやすく、数時間ほど日光を浴びただけでも影響が出てしまいます。畳の日焼けを防ぎたいなら、以下の方法を試してみてください。
窓用フィルムやカーテンで紫外線対策を行なう
基本的に紫外線は窓ガラスから入り込み、畳の色あせを引き起こします。晴れの日でも曇りの日でも紫外線の影響はあるため、UVカットフィルムやUVカットカーテンを使って紫外線対策を行なうとよいでしょう。
ただし、窓用フィルムやカーテンで紫外線を完全にカットできるわけではありません。可能な範囲での紫外線対策を行ないながら、徐々に変化していく色合いを楽しむのがよいでしょう。
畳の上に日焼け防止シートを被せる
不動産を所有するオーナーにとっては、畳の日焼けを防ぐのは重要な課題といえます。新築物件を売り出すとき、もしくは畳のある物件が空室となったときには、できるだけ畳の色を保ったまま、新しい入居者に引き渡したいものです。
畳の劣化を最小限に抑えるなら、畳用の日焼け防止シートを活用しましょう。強度の高いシートを選べば、再利用もできます。
畳の日焼けを修復するには?
畳の日焼けで見た目が悪くなってしまったとき、お酢によって修復できる場合があることをご存知でしょうか。畳の変色が気になる場合は、以下の修復方法を試してみてください。
お酢を使って畳の日焼けを修復する方法
お酢を使って畳の日焼けを修復する具体的な方法は、次のとおりです。
1.洗剤で畳の汚れを落とす。
2.お湯とお酢を2:1で混ぜる。
3.2で用意した液体を霧吹きに入れ、日焼けした箇所に吹きかける。
4.乾いた布で拭き取り、十分に乾燥させる。
畳の色あせを完全に戻すのは難しいですが、この方法で多少色が戻る可能性があります。
畳の日焼けをお酢で修復する際の注意点
新品の畳、表替えしたばかりの畳にお酢を使用すると、変色がさらにひどくなる場合があります。また、畳の素材がイ草ではない場合、お酢での修復はできません。
さらに、お酢を霧吹きで吹きかけるときは、畳以外のものに吹きかけないように気を付けましょう。特に、金属に吹きかけると腐食のおそれがあるため、取り扱いには注意が必要です。
畳の日焼けが気になる場合、張り替えも検討する
畳はそもそも消耗品のため、日焼けを完全に防ぐのは難しいものです。畳の色あせ具合が気になるようなら、畳の張り替えも検討してみましょう。
畳の張り替えには、畳表をひっくり返して使う「裏返し」、畳表だけを交換する「表替え」、畳を丸ごと交換する「新調」の3パターンがあります。
張り替え方法を選ぶ際には、畳の日焼けが裏側まで進行しているか、踏み心地など日焼け以外に問題がないか確認が必要です。畳表の表面だけが変色しているなら「裏返し」、裏側まで変色しているなら「表替え」で対処します。畳を使用してから10年以上経過している場合は、畳の芯の部分となる畳床まで劣化が進んでいることもあるので、畳の新調を検討してみましょう。
畳の張り替え方法、畳の使用年数や費用に関して詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:畳(たたみ)の張り替えの費用・タイミングとは?悩み別のおすすめ方法も紹介
まとめ
畳の日焼けを防ぐためには、とにかく日光を畳に当てないようにすることが重要です。
自宅に和室がある方は、窓用のUVカットフィルム、UVカットカーテンを使って紫外線対策を行ないましょう。
和室のある物件を売却・賃貸予定の場合は、不動産としての価値を下げないよう、畳用の日焼け防止シートを活用するのがおすすめです。
十分に紫外線対策を行なっていたとしても、蛍光灯の光によって徐々に変色が進んでいきます。色あせが気になるようなら、お酢を使った日焼けの修復方法を試してみてください。
畳の日焼けがもとに戻らない場合は、畳の張り替えも視野に入れましょう。畳の張り替え方法でお困りの方は、和室のプロフェッショナルであるとりまつ畳にぜひご相談ください。