室内の乾燥はあらゆる体調不良につながるもの。和室で快適に過ごすためにも、室内を適度な湿度に保ちたいところです。
部屋に潤いを与えるためには加湿器が便利ですが、「そもそも和室で加湿器を使ってもいいの?」「畳の部屋で加湿器を使うなら、何に気を付ければいいの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、畳の部屋で加湿器を使う際に気を付けたいポイントを解説します。カビ・ダニを除去する方法も説明しますので、ぜひ参考にしてください。
畳の部屋でも加湿器は使える?
室内が乾燥すると、肌のかさつき、のどの痛み、身体のかゆみ、脱水症状など、さまざまな症状が現れます。また、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるのも問題です。
エアコンで部屋を暖める場合は、特に空気が乾燥しやすくなるため、畳の部屋でも加湿器を使うのが望ましいでしょう。
ただし、畳には空気中の湿度を調整する機能が備わっているため、過度に加湿するとかえって畳にカビやダニが発生する可能性があります。
加湿器を使った乾燥対策は効果的ですが、適度な湿度を保てるよう、次章で紹介するような工夫を試してみてください。
畳の部屋で加湿器を使う際の注意点
加湿器の使用で畳を劣化させないためには、何に気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、畳の部屋で加湿器を使う場合の注意点を見ていきましょう。
湿度計で湿度をこまめにチェックする
乾燥による体調不良、湿気によるカビ・ダニの発生を防ぐためには、快適に過ごせる適度な湿度を保つことが大切です。湿度計を設置して、部屋の湿度をこまめに確認しておきましょう。
快適に過ごせる湿度の目安は、おおよそ40~60%です。40%を下回ると、乾燥で肌やのどの調子が悪くなり、感染症のリスクも高まります。また、60%を超えると湿気が多くなり、カビやダニが発生しやすくなります。
なお、夏の湿気が多い時期には除湿器の使用もおすすめです。この場合も、ただ湿気を取り除くだけでなく、湿度計をチェックしながら40~60%の範囲内に収めることを心がけましょう。
部屋の広さに合わせて加湿器のサイズを選ぶ
加湿器を選ぶときには、必ず加湿器の適用床面積(適用畳数)を確認して、部屋の広さに合ったものを選んでください。「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、加湿器の場合は「ちょうど良いサイズを選ぶ」ことが大切です。
加湿器のなかには、気温や湿度を自動でコントロールする機能を搭載しているものもあります。給水できるタンクの水量や、加湿の強弱が調整できるかどうかなど、搭載されている機能をチェックしたうえで、部屋の広さに合ったものを選びましょう。
加湿器で畳にカビ・ダニが発生した場合の対処法
畳にカビやダニが発生した場合も、適切な対処法を理解しておけば安心です。いざというときに冷静に対処するためにも、以下の内容を押さえておきましょう。
畳のカビを除去する方法
まずは窓を開けて、部屋の換気を行なってから掃除機をかけます。
掃除機をかける際は、カビの胞子をまき散らさないよう注意しながらゆっくり行ないましょう。カビを吸い取ったら、畳の表面を乾いた布で拭き取ります。適切にカビを除去するには、掃除機をかけるときも、乾拭きのときも、畳の目に沿って行なうのがポイントです。
カビの程度がひどい場合は、晴れた日に屋外で掃除を行なうのがおすすめです。掃除機やほうき、乾拭きなどで表面のカビを除去した後、3~4日ほど畳を陰干しするとよいでしょう。
カビ除去といえば、カビキラーのような塩素系の薬剤を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、漂白作用で畳が変色してしまうほか、身体への健康被害も懸念されるため、使用は避けてください。
カビがどうしても取れない場合は、消毒用アルコール(エタノール)を試してみましょう。
なお、カビの発生要件や詳しい掃除法、効果的な予防法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:畳に虫が発生!その原因とおもな虫の種類、予防法を解説
まとめ
「畳の部屋は湿度管理が大変そう……」と感じるかもしれませんが、湿度計をこまめにチェックして、適切な湿度に調整すれば問題ありません。加湿器や除湿器をうまく使って、和室を快適な空間に整えましょう。
カビやダニが発生した場合も、掃除機など身近にある道具で対処可能です。
とはいえ、「大量のカビを自力で除去できない」「ダニだらけの畳を今後も使いたくない」という方も少なくないでしょう。新しい畳への交換を希望される方は、畳の専門家であるとりまつ畳にお気軽にご相談ください。