イ草の香りに包まれながら、畳に寝転がって過ごすのは心地良いものです。
しかし、畳に虫が発生していることに気が付き、「畳に虫が湧いているけれど、虫の種類や対処法がわからない……」と心配になっている方もいるかもしれません。また、畳は肌に直接触れるものであるため、「畳に虫を発生させないための予防法を知りたい」という方も多いでしょう。
そこで今回は、畳に虫が発生する原因をはじめ、畳に付く虫の種類、虫が湧いたときの駆除方法、虫を発生させないための予防法について詳しく解説します。
畳に虫が発生する原因
虫は最初から畳に住み着いているのではなく、外から侵入して室内で繁殖します。このとき、虫が繁殖しやすい条件(湿度・温度・餌など)がそろうと、畳に虫が発生しやすくなります。まずは、部屋の中が以下のような状態になっていないか、確認してみましょう。
・畳に落ちた食べこぼしを放置している
・掃除が不十分で、ゴミや埃が溜まっている
・畳の上に布団やカーペットを敷きっぱなしにしている
・室内でペットを飼っている
・部屋の湿度が高く、風通しが悪い
これらの項目に多く当てはまっている場合、畳に虫が住み着く確率が高まります。すでに虫が発生している可能性もあるため、対策が必要です。
畳に発生する虫の種類
畳に発生する虫といえばダニが代表的ですが、ダニ以外にもさまざまな種類の虫が住み着きます。ここでは、畳に発生する虫の種類を見ていきましょう。
ケナガコナダニ【小さい乳白色のダニ】
ケナガコナダニの体長は、約0.2~0.5mmです。小さな乳白色のダニで、高温多湿の時期に大量に発生します。ケナガコナダニ自体は人を刺すことはありませんが、人を刺すツメダニの餌となるため、ツメダニを増やしてしまう要因になります。また、ケナガコナダニの死骸や糞によって、アレルギーを発症する場合もあります。
ツメダニ【淡い黄褐色のダニ】
ツメダニは体長0.3~0.8mmで、前述したケナガコナダニよりも少し大きめのダニです。淡い黄褐色で、ケナガコナダニ、チャタテムシ、チリダニなどを捕食します。発生するのは暖かくなった5月以降で、夏の暑い時期(7~9月頃)にツメダニに刺される被害が増えます。ツメダニに刺された箇所は1~2日後に赤く腫れあがり、強いかゆみを生じます。
シバンムシ【茶色いゴマのような虫】
シバンムシは体長2~5mmほどで、全国的に分布する一般的な虫です。色は赤褐色で、ゴマのような丸い形をしていて、春から秋(5~10月頃)にかけて発生します。シバンムシは、畳表に小さな穴をあけることはありますが、人体には無害な虫です。ただし、人を刺すアリガタバチがシバンムシの幼虫に寄生するため、大量に発生した場合は、アリガタバチによる被害が大きくなるおそれがあります。
アリガタバチ【おしりがとがった茶色いアリ】
アリガタバチは体長2~3mmほどの虫です。おしりの先がとがっており、蜂のような形をしているのが特徴です。体は茶色く、春から秋(3~11月頃)にかけて発生します。刺されたときの被害は大きく、2週間ほど赤く腫れたり、水膨れになってしまったりすることがあるため注意が必要です。
チャタテムシ【淡い黄色や褐色の虫】
チャタテムシは約1~2mmの大きさで、淡い黄色や褐色の虫です。一般家庭や倉庫、工場など、さまざまな場所に生息しています。チャタテムシ自体は無害ですが、それらを食べるツメダニの発生を招くおそれがあるのが問題です。カビが大好物で、湿度が高くなる時期に多く発生します。
ヤマトシミ【灰色(銀色)で細長い、うねうねした虫】
ヤマトシミの体長は約8~10mmで、長い触覚と細長い体が特徴のうねうねした虫です。埃が多い場所、湿度の高い場所に多く発生し、紙や本に害を加えることがあります。灰色(銀色)に光る体で、素早く動く姿が気味悪い不快害虫ですが、人体への影響はなく無害な虫です。一年中、季節を問わず発生します。
畳から虫が出てきたときの駆除方法4選
畳に虫が発生しているのを見つけたら、以下の方法で対処しましょう。
殺虫スプレーを吹きかける
目に見える大きさの虫は、殺虫スプレーを吹きかけて駆除します。殺虫スプレーを使用する際は、駆除できる虫の種類を確認したうえで、用法を守って使用してください。
スプレーを近づけすぎると、噴射した勢いで虫が吹き飛んでしまいます。虫を見失わないようにしつつ、離れた位置から吹きかけましょう。スプレーを使用したあとは、丁寧に掃除機をかけて虫を除去します。
煙式殺虫剤を使用する
部屋中に虫が大量発生している場合、虫を肉眼で確認できない場合は、煙式殺虫剤を使用しましょう。購入する際は、部屋の広さに合ったものを選択してください。
煙色殺虫剤を使用する前に、室内の物品に影響がおよばないよう下準備が必要です。家電や家具をビニールシートなどで保護する、食べ物を冷蔵庫に入れておくなど対策を行ないましょう。
布団乾燥機を使用する
自宅に布団乾燥機がある方は、畳の上に布団乾燥機を設置して、上から布団をかぶせてみてください。そのまま熱乾燥をすれば、布団乾燥機の熱風で虫が死滅します。一般的に、ダニは50度以上の温度で死滅するとされているため、それを目安にするとよいでしょう。畳をわざわざ外す作業もないので、簡単にダニを除去可能です。
畳の乾燥サービスを利用する
畳の専門店に依頼して、畳の乾燥処理をしてもらうのも一つの方法です。一部の畳店では、畳熱乾燥機が導入されています。ダニ以外に、畳に付着した臭いを除去することも可能です。
畳の乾燥処理が気になった方は、まずは畳の専門店に、乾燥サービスがあるか問い合わせてみましょう。もしあれば、裏返しや表替えのタイミングで乾燥サービスを利用することが可能です。
場合によっては今の畳を継続して使うよりも、丸ごと新品に交換したほうが良いケースもあります。畳の状態の見極めも含めて、畳の専門店が承りますので、ぜひお気軽にご相談ください。
【畳の虫】予防・対策の方法6選
いざ畳に虫が発生してしまったら、それぞれの虫に適した殺虫剤で簡単に駆除することができますが、理想は畳に虫が繁殖する前にしっかりと予防をしておくことです。
ここでは、畳に虫が発生しないための予防策を紹介します。
こまめで丁寧な掃除を心がける
1畳につき、1分以上の時間をかけて掃除機をかけましょう。ゆっくりと時間をかけて丁寧に掃除機をかけることで、畳に吸着した埃や汚れをしっかりと取ることができます。
風通しを良くし、湿度を低く保つ
畳に住み着く虫は、湿気の高いところに集まってきます。エアコンや扇風機を使って空気を循環させ、部屋の湿度が50~60%以上にならないよう調節しましょう。
防虫シートを敷く
気密性の高い部屋に住んでいて、湿気が特に気になるようであれば、畳の下に防虫シートを敷いてみましょう。防虫シートの敷設は、長期的に虫の発生を予防するため、頻繁に畳のメンテナンスができない方にもおすすめの方法です。
畳の上にカーペットなどを敷かないく
カーペットや絨毯を畳の上に敷きっぱなしにすると、畳との間に湿気がこもってしまい、ダニが繁殖しやすくなります。畳には天然の調湿機能が備わっていますので、カーペットなどで覆わないほうがよいでしょう。
どうしても敷きたい場合は、防虫効果のある敷物を選んで、こまめに陰干ししましょう。定期的に換気や掃除を行ない、湿気や栄養分などダニが繁殖する原因を取り除くことが大切です。
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アルコール消毒をするく
畳をアルコール消毒する際には、畳に直接スプレーするのではなく、アルコールを吹きかけた布で、畳の表面を拭き取りましょう。アルコールは揮発性が高いため、畳に水気が残る心配がありません。畳の目に沿って丁寧に拭くと効果的です。
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防虫効果のある畳を使用する
畳の虫が気になる方には、防虫効果のある畳への張り替えがおすすめです。
なお、とりまつ畳でも高級和紙を使用した健康畳を取り扱っております。高温熱処理滅菌済みでダニやカビの繁殖を抑えられるだけでなく、日焼け、水濡れ、摩擦に強い、機能性に優れた畳です。
子どもが小さいご家庭や、ペットを飼われているご家庭のほか、畳を長持ちさせたい飲食店など、幅広い層から根強い人気があります。
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畳の虫対策は、原因・種類を把握して行ないましょう
畳の掃除が不十分であったり、湿度が高い状態が続いたりすれば、畳に虫が発生しやすくなります。一見、虫などいないように見えても、さまざまな種類の虫がすでに生息している可能性もあります。
日頃から畳の掃除や部屋の換気を徹底するなど、必要な対策を行ないましょう。また、いざというときのために、殺虫スプレーや煙式殺虫剤を用意しておくと安心です。
「虫が発生した畳を使い続けたくない」という場合は、畳の新調を検討してみてはいかがでしょうか。とりまつ畳では、畳の専門店ならではの高品質・低価格を実現しています。
畳のトラブルでお困りの際には、ぜひ一度ご相談ください。
TEL:0120-211-021