「畳を上げて掃除をしたいけれど、敷き方が分からず躊躇している……」という方も多いのではないでしょうか。畳の敷き方にはいくつかのパターンがあり、基本的なルールが決められています。
本記事では、畳の敷き方になぜルールがあるのか、どのような点に気を付ければよいのかを説明します。また、実際の敷き方を部屋の広さ別に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
畳の敷き方のルール~祝儀敷き、不祝儀敷きとは?
まずは、畳の敷き方について基本的なルールを紹介します。
畳の敷き方にはルールがある
一般の住宅に畳を敷く場合、「畳の合わせ目が十字にならないようにする」というルールがあります。そのためには、それぞれの畳の四隅が1カ所に集まらないよう、配置を工夫する必要があります。
このルールに則った敷き方を「祝儀敷き(しゅくぎじき)」、このルールに反する敷き方を「不祝儀敷き(ふしゅくぎじき)」と呼びます。
祝儀敷き(しゅくぎじき)とは?
住宅に畳の部屋を設置する場合、通常は祝儀敷きが用いられます。畳の敷き方が祝儀敷き、不祝儀敷のように分類されるようになったのは、江戸時代の頃からで、合わせ目が十字にならない敷き方は縁起がよいとされていたため、婚礼など祝い事では祝儀敷きが選択されました。
以前は、縁起が悪い葬儀などの際には部屋の畳を不祝儀敷に張り替えていましたが、現在ではその風習はなくなりました。なお、祝儀敷きは「枕敷き(まくらじき)」と呼ばれることもあります。
不祝儀敷き(ふしゅくぎじき)とは?
不祝儀敷きは、先にも触れた通り葬儀など縁起が悪いときに用いられる敷き方です。また、寺院仏閣や旅館の大広間などでは、不祝儀敷きが採用されています。
「葬式を行う寺院仏閣はともかく、旅館の大広間にも不祝儀敷きが用いられるのはなぜ?」と疑問に思う方もいるかもしれません。旅館の大広間で不祝儀敷きが用いられる理由は、大勢の利用者が同じ向きで座ることが多く、不祝儀敷きで畳がすべて同じ方向で敷かれていれば、畳が傷みにくいからです。また、不祝儀敷きだと大広間などの広い空間でも畳のメンテナンスがしやすい、という事情もあるようです。
畳の敷き方の具体例~広さ別に紹介
続いては、畳の敷き方について具体例を見ていきましょう。3畳間から12畳間まで広さ別に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
3畳の畳の敷き方
3畳間(1間×1間半)の畳の敷き方です。
4畳半の畳の敷き方
4畳半(1間半×1間半)の畳の敷き方です。
6畳の畳の敷き方
6畳間(2間×1間半)の畳の敷き方です。
8畳の畳の敷き方
8畳間(2間×2間)の畳の敷き方です。
10畳の畳の敷き方
10畳(2間×2間半)の畳の敷き方です。
12畳の畳の敷き方
12畳間(2間×3間)の畳の敷き方です。
【畳の敷き方】その他のルール
畳の敷き方には祝儀敷き・不祝儀敷きのルール以外にも、細かな決まりがあります。以下で、注意点を確認していきましょう。
鬼門半畳は避ける
4畳半のように半畳の畳を使用する場合には、その位置が重要です。半畳の配置場所は、鬼が出入りする方角といわれる「鬼門(北東)」を避ける必要があります。家の間取りを決めるときなどにも、鬼門を考慮した配置をするよう気を配りましょう。
4畳半で左回りに畳を敷くと「切腹の間」に
4畳半の半畳を中央に敷く方法もありますが、こちらも敷き方に注意が必要です。半畳の畳を中央に、他の畳を左回り(卍型)に配置する敷き方は、「切腹の間」と呼ばれます。これはかつて、武士が切腹する際に用いられた畳の敷き方です。
事が終わった後、真ん中の半畳を取り換えることでスムーズに事後処理ができるため、この敷き方が採用されていたといわれていますが、現在では非常に縁起が悪い敷き方として避けられています。なお、畳を右回りに配置すると「茶室」の敷き方になります。
床の間と隣り合う畳は、床の間と平行に敷く
床の間がある部屋では、必ず床の間と平行に畳を敷いた後で、他の畳を敷いていきましょう。床の間に畳の縁が直角に入る形は「床刺し」と呼ばれます。
この場合、上座である床の間の前に畳の縁がある状態となり、お客様が畳の縁に座ることになってしまうため、床刺しは避けるのが礼儀とされています。
畳の敷く際には、必ずルールを確認しましょう
畳を敷く際には、さまざまなルールに則って敷く必要があります。しかし、難しく考える必要はなく、「合わせ目を十字にしない」、「不吉な敷き方を避ける」など、基本的なポイントを押さえて行えば問題はありません。
とりまつ畳では畳の敷き方はもちろん、畳の交換目安や選び方など畳に関する疑問にお答えします。畳の悩みだけでなく、襖、障子、網戸についてもご相談可能です。和室に関する疑問やお悩みごとがある方は、ぜひ一度とりまつ畳にお気軽にご相談ください。