畳のメンテナンス方法の一つに「裏返し」というものがあるのはご存知でしょうか。この言葉だけ聞くと、畳全体を外して、ひっくり返し、その裏側を再利用する方法のようにも聞こえますが、実はそうではありません。これはどういったメンテナンス方法なのでしょうか。
今回は「畳の裏返し」について、詳しくご紹介します。また、業者などに依頼したときにはいくらくらいかかるのか、DIYでもできるのかといったことについてもご紹介しますので、畳が少し古くなってきたと感じている方や、畳を少しでも長持ちさせたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【前提知識】畳を快適に使うには、定期的なメンテナンスが必要です
畳の裏返しとはどういった方法かをしっかり理解するために、まず前提知識として畳の基本情報を把握しておきましょう。
構造について
畳を構成しているのは以下の3つの部位です。
・畳表(たたみおもて):イグサで織られた、表面のゴザ部分。
・畳縁(たたみべり):畳の側面を保護する布生地の部分。
・畳床(たたみどこ):乾燥わらなどで作られる、畳の中心の芯となる部分。
このうち最も傷みやすい部位は、表面上に出ている畳表です。
畳表が傷む原因
畳表が傷む原因として、まずは掃除機が挙げられます。最近は掃除機のヘッドが高性能になったため、強い吸引力で掃除のたびに畳を傷めてしまうというケースも多いです。また寒い季節にファンヒーターなどを使い、熱風が直接当たり続けることも、畳表の劣化の要因の一つです。
さらに、梅雨時の湿気も畳表が痛む原因になります。特に長時間畳の上に布団や座布団などを置いていると、畳が湿気を吸ってカビなどが発生し、次第に劣化してきます。
つまり、畳を快適に使用するには、定期的にメンテナンスが重要なのです。
畳の代表的なメンテナンス方法「裏返し」とは?やり方・時期を紹介
畳のメンテナンス方法には、主に「裏返し」、「表替え」、「新調」の3つがあります。今回は「裏返し」について、詳しく紹介します。
畳の裏返しとは?やり方は?
「裏返し」と聞くと、畳の全体を外し、裏返してはめ込むことのように思えますが、そういった方法ではありません。裏返すのは、畳表の部分だけです。畳表のゴザの部分は両面使えるため、一度はがして、ひっくり返し再び固定することで、畳の表面を新品に近い状態に戻すことができます。
畳の裏返しの時期、使用開始から3~5年後が目安
使用開始から3~5年が経ち、畳表の色あせや擦れ・傷みを感じはじめたら、裏返しをおこなうタイミングです。畳の裏返しをすることによって、もう数年の間、快適に使用することができます。
しかし、裏返しをしないまま5年以上が経過してしまうと、裏側まで変色や損傷が進み、裏返しができなくなってしまいます。つまり、適切なタイミングでメンテナンスをおこなうことが、畳を長持ちさせるポイントと言えるのです。
畳の裏返しの費用相場~自分でDIYは可能?
畳の裏返しを専門の業者に頼んだ場合、費用の相場はいくらぐらいになるのでしょうか。
【畳の裏返し】費用相場は3,000円~4,000円ほど
施工業者によっても異なりますが、裏返しの相場は畳1枚につき3,000円~4,000円ほどです。つまり、6畳間の畳をすべて裏返しする場合には、18,000円~24,000円ほどかかる計算です。
他のメンテナンス方法としては、畳床だけ残して、畳表と畳縁を新しいものに変える「表替え」というものもありますが、費用目安は1畳あたり5,000円~20,000円程度と、裏返しと比較すると高額です。さらに、畳をまるごと新調する場合には、1畳あたり10,000円~35,000円ほどの施工費用がかかります。
他の方法と比較すると、裏返しは、畳のメンテナンスの中で最も手軽で、リーズナブルな方法と言えるでしょう。
【畳の裏返し】自分でDIYすることは難しい…
先に述べたとおり、畳の裏返しとは単に畳全体を裏返すのではなく、畳表をはがし、その裏面を再利用するメンテナンス方法です。裏返しには、畳表を傷めないようにはがし、しわが寄らないように固定する、といった特別な技術が必要なので、個人でおこなうのは難しいでしょう。
自分でやろうと挑戦したものの、結局上手くできず業者に連絡した、無理に自分で行ったせいで畳表を傷めてしまった、といった失敗談も多く聞かれます。
畳は高価なものだからこそ、メンテナンスはプロの業者に依頼するのが無難です。
畳の裏返しなら、とりまつ畳にご相談ください
今回は、畳の裏返しというメンテナンス方法について紹介しました。
裏返しは、最も安く、手軽に畳をメンテナンスできる方法です。使用開始から3~5年ほど経過した畳には、裏返しの施工を検討しましょう。
和室のプロフェッショナルであるとりまつ畳は、裏返しのご依頼を2,200円から承っております。品質にこだわる専門店ならではのサービスをぜひご利用ください。